女流プレミアトーナメント 美女の乱【観戦レポート】

2018年4月14日(土)に、麻雀最強戦2018 女流プレミアトーナメント 美女の乱が行われ、与那城葵が優勝、女流プレミアトーナメント決勝進出を決めた。美人女流8名による死闘を、オフィシャルレポーター・梶本琢程と最強戦実行委員長・金本晃がレポートする。

名古屋一美しいプロが東京7人を全倒し!
名古屋一美しいプロが東京7人を全倒し!

新鋭・与那城が激戦を制す!

梶本「さて、今回から4回に渡って『女流プレミアトーナメント』が開催されますね。8人×4ブロックで計32名が参加。各ブロックの優勝者が半荘1回勝負の決勝卓に進み、トップを取ればファイナルに進出できるという。他の代表決定戦に比べ、確率的にも厳しい戦いです。昨年からのシステムですが、金本委員長がこのカテゴリーを作ったのはどういう理由からでしょうか?」

 

金本「女流プロの対局というのはやっぱり需要があるんですよね。ただ、だからといって最強戦のファイナル枠に4つも5つもというわけには行かないので、タイトルホルダーとそうでない人で分け、そうでない人ように32名で1名だけ勝てるという枠組を作ってみました。こちらなら新人なども呼びやすいですしね」

 

梶本「なるほど。そういった意味では、今回『美女の乱』でまだ3年目の与那城葵が初出場し、そして優勝したのは期待通りの結果だったんじゃないですか?」

 

金本「正直、優勝は想定外でした。さすがに去年の優勝者黒沢咲など実績のある打ち手のほうが有利かなと。ただ、与那城も都美(プロ4年目)・岡田紗佳(2年目)も十分戦えていて、見ている側としては満足いく内容だったかなと思いました」

 

梶本「決勝に進出したのは、都美・和泉・東城りお・与那城の4名。決勝戦は東城・和泉がアガリを重ねて抜けだします。与那城は5200の放銃もあって点棒をかなり削られましたが、東ラスの親で盛り返し、ホンイツトイトイのハネ満を決めて逆転。後半、盛り返した都美の追撃を振り切ってゴールしました」

 

金本「与那城はインタビューでは緊張してましたが、麻雀中は点数がなくなってもそんなに麻雀を変えず落ち着いていたのが功を奏したんじゃないでしょうか。名古屋はプロもアマ(ZEROさんなど)も強いです」

 

梶本「実は私、夕刊フジ杯の西日本ブロックの実況をやっている関係で、与那城の麻雀はよく見るんです。どちらかといえば、麻雀の実力というより精神的に脆いところがあって、それで勝ちを逃すことも多かった」

 

金本「あ、そうだったんですか。ただ今回は麻雀中そんなに縮こまったような打牌は無かったかと思います」

 

梶本「今回は普段以上に視聴者数が多く、かつ周りが皆実績上位の打ち手ばかりですから夕刊フジ杯より更にガチガチに緊張しそうだなと懸念してました。逆に追い詰められたのが良かったかも」

 

金本「じゃあファイナルも、もっと緊張して追い詰められてからの実力発揮を期待ですね」

安目で妥協した都美に「がっかり」

金本「じゃ、ここから本題。個人的に都美の麻雀について語りたくて。南2局の高目が純チャンになるリーチで安目1300点でロンした局です」

 

 

梶本「あれは対局後も解説の金太賢プロを交えて大激論してましたね」

 

南2局 北家・都美 17100点持ち 12巡目

賛否両論を呼んだ都美のアガリ形…
賛否両論を呼んだ都美のアガリ形…

梶本「視聴者としてはまず都美が『なぜこの待ちでリーチをかけたのか』そして『なぜ安目でアガったのか』という部分が知りたいでしょう。リーチをかけた理由については、まず宣言牌がション牌の發。つまり、チャンタ確定の最低6400点以上の形でもリーチをかけられたわけです」

 

金本「金最強位は『凄く難しいけど…』と前置きした上で、發単騎リーチか2索3索待ちのヤミテンがいいとおっしゃってました」

 

梶本「2索3索待ちヤミなら3索を見逃せますし、ドラ1萬を持ってきたら1萬単騎待ちに替えられる。たしかにそっちのほうがよさそう」

 

金本「2索3索待ちでリーチした理由は『ション牌の發は止められるけど2索なら出ると思いました。親番がなくトップの与那城さんと21100点差で、高目安目があってもハネ満が狙える純チャンにしたかった。もちろん3索ではアガらないつもりだった』とのこと(本人談)。ただ都美の捨て牌がこんな感じで」

梶本「ザ・昭和の麻雀劇画のリーチですな(笑)。高目の2索の出も期待できるけど、反面3索が先に出てフリテンになっても不思議じゃない」

 

金本「何で安目でロンしちゃったのかな?」

 

梶本「親の和泉が2フーロですからね。しかもポンが2つ(本人談)」

 

東家・和泉の仕掛け

梶本「実際はトイトイ崩れの中ドラ1のカン2萬待ち3900テンパイですが、面前タイプの和泉の仕掛けということを織り込めば親満以上はあると思うでしょう。都美からすれば3索を見逃して和泉に親満を放銃すれば、それこそ優勝の可能性がゼロになる。だから渋々3索でアガったそうです」

 

金本「3索ロンでリーのみだと残り2局連続で満貫ツモ2発が必要。それが成就する確率なんてたった1%ですよ(統計データによるとマンガン条件でまくれるのは約10%、それを2連続成功することなので)。それだったら見逃して2索ツモに賭けたほうがいいんじゃないですか」

 

梶本「今回も厳しいですね」

 

金本「ただ、いま考えてみたら金さんと違って僕は2索3索待ちリーチで見逃しが『伝説』を作れたと思います。もし2索ツモれていたらですが。僕が、そして多分視聴者が麻雀番組に期待するのって、それじゃないでしょうか」

 

梶本「伝説ですか」

 

金本「伝説ですよ!伝えたくなる話!第一回の最強戦で雀鬼・桜井章一の代走で漫画家片山まさゆきが優勝した!とか、連続で雀鬼会が連覇!とか。そういう話は人に伝えたくなるじゃないですか」

 

梶本「確かに」

 

金本「オーラスで四暗刻優勝(鈴木たろう)とか、クマクマタイム8本場(瀬戸熊直樹)とか」

 

梶本「最強戦の歴史を振り返っても、そういうエピソードは何年経っても忘れないですね」

 

金本「じゃあ3索でアガって、そのあと都美が勝って伝説になるか、といったらならないと思います。見逃して勝つと伝説ですよ」

 

梶本「昨年の最強戦ファイナルの決勝で、多井隆晴が物凄くアガりやすい小三元のペン7萬に受けずに、高目大三元のシャンポンに受けた。仮に小三元でアガって優勝しても、それはそれで凄い。けど伝説にはならないでしょうねぇ」

 

金本「そう、それ! 多井さんがペン7萬に受けなかったのは伝説作りの意識もありましたよ! 最強戦は出ても手が入らなくてそのチャンスすらない人がたくさんいます。でも今回の都美にはそれがあったんです。だから…伝説チャンスを逃したんですよ」

 

梶本「委員長、熱いですね。どうします? 今回、この1局の話だけで終わっちゃいますよ」

 

 

金本「え、まじ?全然語りたりね~」

プロの名手

決勝卓南1局 北家・与那城葵 24100点 6巡目

3着目とはいえトップまで6200点差の与那城。字牌のトイツが3組の手から中ポンで前に出る。しかしその後、上家から出た3萬をスルーしたのだ。

たしかに安くても最速でアガりを目指し残り3局でまくるという考え方もあるが、ハネ満の素材(役々ホンイツトイトイ)の種が揃っている手を1300や2600にしてどうする。そんな与那城の執念が実り、その後西ポン、2軒リーチ後に北をツモり、3索単騎でハネ満をアガったのだ。

 

【与那城のアガリ形】

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梶本琢程オフィシャルレポーター
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