著名人代表決定戦 技術の剣【観戦レポート】

2018年8月12日(日)に、麻雀最強戦2018 著名人代表決定戦 技術の剣が行われ、片山まさゆきが優勝、ファイナル進出を決めた。豪華メンバーによる死闘を、オフィシャルレポーター・梶本琢程と最強戦実行委員長・金本晃がレポートする。

自分の麻雀を信じたビリーブ打法、片山まさゆき優勝
自分の麻雀を信じたビリーブ打法、片山まさゆき優勝

鈴木マークで臨んだ加藤

梶本「今回は著名人代表決定戦の戦いをレポートしていきます。サブタイトルに技術の剣とあるように、さながら麻雀プロの対局でしたね」

 

金本「もう少し派手な展開になるかと思っていましたがそれは意外でした」

 

梶本「意外といえば、今回の出場者に『永遠のゼロ』などの著者、百田尚樹さんを抜擢したのは驚きでした。私も今年開催された最高位戦ペアマッチでお見掛けして『あ、百田さん麻雀打つんだ』とは思いました。が、そのときで30年ぶりとおっしゃってましたし、さすがに最強戦の出場は想定外でした」

 

金本「ダメ元で出場の打診をしたところ、快諾をいただきまして。しかも、今回は僕の予想以上のパフォーマンスを披露されました」

 

梶本「もちろん出場にあたっては多少牌にも触ったとは思いますが、あそこまでしっかり打たれるとは思いませんでしたね。あと女優の水崎綾女(みさきあやめ)さんも凄く良かったと思いました。2年ほど前に対局の解説をさせていただきましたが、その時よりも攻めの麻雀が光ってましたね」

 

金本「水崎さんは残念ながらノーホーラでしたが、見ている側がシビれるほどの気風のいい打ち方だったと思います」

 

梶本「予選では、私はそういう打牌に片山まさゆきさんや大村朋宏さんが惑わされて『下手すりゃ2人とも敗退あるな』と予想していました。が、見事にハズれ」

 

金本「僕もハズれました」

 

梶本「百田さんや水崎さんが相当打てる人だったので、逆に片山さん大村さんも普段通りの麻雀で押し切った、って感じですか。やはり麻雀もそうだし最強戦での経験値も段違いのお2人ですから」

 

昔サンマで鍛えた腕を見せた百田尚樹(作家)
昔サンマで鍛えた腕を見せた百田尚樹(作家)

金本「B卓は予想しづらかったでしょう?」

 

梶本「強さでいえば、鈴木大介さんが抜けている。速度も打点力もあって、しかも打っているときの雰囲気が迫力十分じゃないですか。とはいえ、相手も強いしどう転ぶか全く分からない感じでした」

 

金本「その鈴木さんの下家に座った加藤哲郎さんは、鈴木さんを相当意識した打ち方をされていたとか。たとえば仕掛け」

 

 

南1局3本場2巡目 東家・加藤哲郎 29300点

金本「2巡目でこの1筒からポン。そうすると上家の鈴木さんがやりにくくなる」

 

梶本「あ、なるほど。そういうことか。この局は中のみでアガるんですが、半荘を通して細かいアガリが多かった。『今日は加藤さん、よく仕掛けるな』と。鈴木さん徹底マークが目的だったんですね。いや、正直加藤さんの麻雀っぽくないなと思ってたんですよ」

 

金本「もっと手役を追う印象がありますね」

 

梶本「ですね。でも、意図は理解しました。加藤さん、今回も惜敗でしたが、もしかしたら肩に力が入って色々やりすぎたのが良くなかったのかな、なんて勝手に敗因を分析してたんですよ。じゃあ、逆に言えば8割がた加藤さんの作戦は上手くいってたんだ。南3局1本場まで鈴木さんを12200点まで完封してたわけだから」

 

金本「その鈴木さんは東1局にミスがあって、そこから苦しんだとおっしゃってました」

 

東1局北家3巡目 鈴木大介 25000点

金本「この8萬に声が出なかったのがミスだった、と」

 

梶本「あ、確かにこれに反応するのは鋭いですね。ドラの白以外にも北もトイトイもあるし。他が整ってからだと8萬をコーツにするのが難しくなるし、鳴かないと結局チートイツでしかアガれなさそうだし」

 

金本「結果はすぐに親の加藤さんがリーチでアガってしまうのですが、鈴木さんが8萬ポンしてたらどうなったか分からない。ただ、結局、ラス前とオーラスだけでトップまで抜けちゃうんですからさすがです」

片山、親っパネ一撃で逆転勝利

金本「で、決勝メンバーは鈴木さん・本郷奏多(ほんごうかなた)さん・大村さん・片山さんの組み合わせ。優勝はオーラスで6000オールを決めた片山さんがそのまま逃げ切りました」

 

南4局 東家・片山まさゆき

金本「これで片山さんは2011年に現行のシステムなってから三度目の優勝。毎年出ているとはいえ、1/8を三度も制するのは凄いことです」

 

梶本「しかも一回は小島武夫・森山茂和・鈴木たろうを相手に優勝してますからね。著名人相手でも麻雀プロ相手でも勝ってますからね。技術もあるけど、最強戦の戦い方を熟知してますよね。ただ、今回私は大村さんに逸機があって、それも片山さんを後押ししたかとみました」

 

金本「と、いうと?」

 

梶本「オーラス片山さんの親っパネの局、リーチは5巡目。これに対し、トップまで2600ロンか500・1000ツモで良くなった大村さんの手がこうなった」

 

南4局6巡目 北家・大村朋宏 33700点

梶本「この時点で現物は5索1枚のみ。でも、これを抜くとアガリは絶望的。8筒周りを引けば逆転条件は満たすし、ドラがなくてもリーヅモでいいのだから前に行くだろうと思ってました。とりあえず南か1筒を切るかなと」

 

金本「が、打5索でオリた」

 

梶本「たしかにアガリ止めがないルールだし、親に放銃すればそれこそ逆転は厳しくなる。けど、ここは押し返してよかったんじゃないかなと」

 

金本「そうですね! 逆にトップ目の鈴木さんは片山さんリーチにペン7萬で追っかけましたね」

 

梶本「それはそれでビックリしましたけど。逆に鈴木さんのほうは止めても全然不思議じゃない。でも、そこを勝機とみて行くのはさすが勝負師です」

 

金本「それにしても今回もハイレベルで白熱しましたね」

 

梶本「これもMリーグ含め麻雀業界の活性化が影響しているんですかね。AbemaTVなどでいつでも映像で見られるようになり、著名人の方も『実は自分も麻雀が打てるよ』と公表しやすい雰囲気になり、強豪が増えて必然的に対局のレベルも上がる、みたいな」

 

金本「そうかもしれません。来年以降も、新たな雀士をお呼びしますので皆様楽しみにしてください」

オーラス慎重になり過ぎた大村朋宏(トータルテンボス)
オーラス慎重になり過ぎた大村朋宏(トータルテンボス)
迫力、センス十分な麻雀を見せた鈴木大介(棋士)
迫力、センス十分な麻雀を見せた鈴木大介(棋士)
オーラス一本場、鈴木のリーチを受け、最後の鈴木のツモ番で流局を願った片山まさゆき。願い叶う!
オーラス一本場、鈴木のリーチを受け、最後の鈴木のツモ番で流局を願った片山まさゆき。願い叶う!

光る一打

予選A卓 東1局9巡目 東家・片山まさゆき 25000点

ダブ東かピンフのどちらを取るか悩ましい手牌。いったん打2萬で役を消し、その後ツモ6筒などターツの部分の縦引きに期待する手もある。だが、ここで片山は打東のトイツ落としに出る。2ハンは消えてもピンフが残るので、実際のロスは1ハンのみ。3萬ツモなら678のタンヤオ三色で一気に高くなる可能性もある。結果、東をポンされた後すぐに9索を引き即リーチで2900点のアガリになった。ダブ東に縛られない柔軟な選択が光る一打だった。

 

最終形

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レポーター

梶本琢程オフィシャルレポーター
梶本琢程オフィシャルレポーター