女流プレミアトーナメント 華麗な技【観戦レポート】

2019年2月12日(土)に、麻雀最強戦2019 女流プレミアトーナメント 華麗な技が行われ、水口美香が優勝、女流プレミアトーナメント決勝進出を決めた。華麗な技を持つ8名による死闘を、現最強位・近藤誠一とオフィシャルレポーター・梶本琢程がレポートする。

水口美香 優勝‼
水口美香 優勝‼

好判断だった水口の北止め

梶本「では、今年の最強戦のオープニングマッチとなりました女流プレミアトーナメント『華麗な技』について近藤誠一最強位と振り返ってみたいと思います」

 

近藤「はい、お願いします」

 

梶本「映像をご覧になっていただいて気づかれたと思いますが、今年から対局中に各選手のデータ、平均アガリ点とかフーロ率などの数字が表示されるようになりました。それについて近藤さんはどのような印象を受けましたか?」

 

近藤「うん、まだ試行回数の少ない人も多いので、その数字に『ん?』となることもありますね。12000を1回しかアガってないから平均打点も12000になるとか」

 

梶本「そんなにないよ!って突っ込んだりして」

 

近藤「ですが、個人的にもデータは好きなので面白い試みだと思いました」

 

梶本「一応、配信が始まった2011年からのデータですから選手によってはデータ自体がない人もいますしね。ま、プロ野球でいえばまだ開幕直後の打率とか防御率みたいなものでしょう。最強戦で戦う回数が増えていけば、ペナントレース中盤ぐらいの数字に落ち着くと思います。先日、見ていて思ったのは、たとえば平均アガリ点でいえば8000点とか数字の下2桁が『00』のように揃っている人は試行回数が少ない人、『68』のようにバラついている人は試行回数も多く実際との乖離も小さい。視聴する際の参考にしてください」

 

近藤「データの表示される位置は対局の邪魔にならない感じでいいと思いましたよ。あと、名前と点数が表示されているところに顔写真も出るようになりましたね」

 

梶本「はい。それも今年からです」

 

近藤「あれもいい。本人との結びつきがより強くなって視聴者の方に覚えてもらいやすくなるし」

 

梶本「順位に応じて笑顔と厳しい顔と使い分けたら?って声も出てましたね。それでは、対局のお話に移りましょう。最初、先行した水口美香を石田亜沙巳、小笠原奈央が追いかけるという展開でゲームが進みます。オーラスで小笠原があと一歩まで迫りますが、水口が自力で決めて優勝となりました」

 

近藤「改めて映像を見て思いましたが、追いかける側の小笠原も石田もさすが経験を積んできた感じを受けました。負けはしましたが、いい戦いぶりだったんじゃないでしょうか」

 

梶本「私が近藤さんに伺いたいのがこの局面でして(全体図参照)。3着の小笠原の親リーチがあって、トップ目の水口はオリへ。そこへラス目の塚田がチートイツドラ2の北単騎で追っかけリーチ。その一発目は打9索で凌いだのですが、次に7索ツモ。ここで手が詰まっちゃった」

 

近藤「ここで5萬切りを選んだんですよね。見ていて『あ~、北打たないんだな』って思いました」

 

梶本「共通安全牌はゼロ。5萬は親の現物だけど、塚田には通っていない。6萬が3枚見えで2萬が通っているので一応ワンチャンスではあるのですが」

 

近藤「これは意外と水口の勝因の1つかもしれませんよ。余談になっちゃうんだけど、水口が北を切らなかったとき解説の前田直哉プロが『ま~、どっちにも字牌切りたくない捨て牌ですからね』とサラっとおっしゃいましたが、ここもっと持ち上げて欲しかったな、って思いました」

 

梶本「と仰いますと?」

 

近藤「たしかに字牌は気持ち悪い、チートイツにも見える。『けど北止まりますかね~?』『あ、止めました。しっかりしてますね』ぐらい? なんか、前田さんへのダメだしみたいになって申し訳ないですが。ま、でもそれぐらい良い判断だし、ここで放銃しなかったのは大きいと思いましたので」

 

梶本「実際、この北は近藤さんやトッププレイヤーは切らないもんですか?」

 

近藤「そうですね。ある程度の力量がある打ち手は切らないかな。実際、前田さんの仰る通りこの捨て牌はチートイツも想定して北は切るべきではないし。だから、ちょっと上から目線みたいになるけど、『へぇ、水口もこの北切らないんだ』って思いましたよ」

 

梶本「ここで塚田に放銃すると点数的にも安泰とはいえなくなって、また違った結果になったかもしれない。そういう意味でこの局の放銃回避は大きかったですね」

 

近藤「あと解説の片山まさゆき先生も触れてましたが、水口は攻めるところはしっかり攻めて、守備意識を高くすべき場面ではしっかり守る。そのメリハリができてたのが勝因だったと思います」

本文には無かったがこの3筒単騎チートイツを即リーしてツモったのも水口の勝因。
本文には無かったがこの3筒単騎チートイツを即リーしてツモったのも水口の勝因。
決勝卓左から塚田美紀、石田亜沙己、小笠原奈央、水口美香。
決勝卓左から塚田美紀、石田亜沙己、小笠原奈央、水口美香。

小笠原、あと一歩届かず…

梶本「さて、もう1つ。オーラスでトップの水口を1300・2600ツモで逆転する小笠原の手順について伺いたいと思います」

 

近藤「小笠原は、その前の局、水口との点差が1万点以上ある状況で高いアガリにこだわらず、出ていた供託2本を水口に取られないようにサッとアガりに行ったのが好判断でしたね。これを水口に取られたら万事休すだった」

 

梶本「そして残り1局のオーラス。小笠原の手がこうなります」

 

南4局5巡目 小笠原奈央 トップまで5800点

梶本「点数的に一通か三色が欲しいところで、小笠原は5筒を捨てました」

 

近藤「ここが少し疑問でしたね。打点的にも一通か三色の両方を追えて、ならツモ切りが良かった。どっちを狙うにしろ6萬が必要なところで9萬2枚は必要ないかなと。ここでの打5筒はリャンメン意識の強い一打でメンピンツモ裏1が本線になる感じかなと」

 

梶本「なるほど。で、そこから4萬を引いて一通を見切って1萬切り。8巡目にこんな形でテンパイします」

梶本「リーチをかけて一発か裏ドラ1枚のツモなら条件クリア。3割程度の裏ドラの可能性に賭けてリーチをかける人もいそうですが?」

 

近藤「まーさすがに8巡目ですし、ギリギリまで6萬ツモで456の三色変化を待ちたいですね」

 

梶本「はい。同じく小笠原もここはヤミテンで構えました。その後、ラス親の塚田が7筒を捨てるのですが当然これは見逃し。するとこれを水口がポン。その直後、小笠原が2萬をツモります」

 

【10巡目】

梶本「ここで小笠原は打5筒。テンパイを崩して一通での復活を目指します。ただ、6巡目に1萬を捨てているのがネックですが」

 

近藤「これね。面白いもので5巡目の手を見てください。あそこで9萬をツモ切って、次の4萬ツモで8索を捨てていれば、この2萬で3-6萬の高目一通をテンパイしているんですよね」

 

【想定図】

近藤「これだったらリーチをかけやすい。高目なら文句なし。ラス親の塚田が前に出て高目が出るかもしれないし、安目ツモで裏ドラに賭けてもよいテンパイ形でした」

 

梶本「う~ん、確かに。あの9萬ツモ切りが響きましたね。結果的には、小笠原がツモ切った5索で水口が中のみのアガリで逃げ切り。小笠原が一通でリーチをかけたとしてもこの結果は変わらなかったかもしれません。ですが、麻雀の一打ってホント恐ろしいことを改めて知るオーラスでした」

 

近藤「でも僕たちはそういう世界で生きているわけですからね。小笠原さんにとっては非常に悔しい一局になったと思いますが、これはいい経験になったと思います」

 

梶本「はい、近藤さんありがとうございました。今年一年最強位としてこのコーナーでもよろしくお願いします」

 

近藤「こちらこそよろしくお願いします」

優勝しアース製薬提供の賞品を手にする水口。
優勝しアース製薬提供の賞品を手にする水口。

次回の放送

4月20日12時~AbemaTVで独占生放送!

 

【女流プレミアトーナメント 皮肉な下剋上】

和泉由希子・豊後葵・丸山奏子・内田みこ・清水香織・大崎初音・矢神ゆの・里中花奈の8名で一人が決勝へ。

 

【同日決勝】

水口美香・高橋侑希・茅森早香・上記大会勝者が1半荘行いトップが最強戦ファイナルに出場!

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レポーター

近藤誠一現最強位
近藤誠一現最強位
梶本琢程オフィシャルレポーター
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