超攻撃型プロ決戦【観戦レポート】

2020年2月16日(日)に、麻雀最強戦2020 超攻撃型プロ決戦が行われ、近藤誠一が優勝、ファイナル進出を決めた。超攻撃型のプロ8名による死闘を、現最強位・鈴木大介とオフィシャルレポーター・梶本琢程がレポートする。

近藤誠一優勝!その影に浅井裕介のミスあり!
近藤誠一優勝!その影に浅井裕介のミスあり!

本当のミスは形テンじゃない

梶本「さて、今年一発目の最強戦。『超攻撃型プロ決戦』を鈴木大介・現最強位とともに振り返ってみます」

 

鈴木「興味深い局はたくさんありましたが、やはり決勝の近藤さんの6000オールの局ですかね。決勝の南2局」

 

決勝南2局 東家・近藤誠一 22700点

鈴木「この局、私は1つだけ言いたいことがありまして」

 

梶本「あ、それは浅井裕介が形式テンパイの仕掛けを入れ、それで近藤が高目9索をツモったことですか? その場面は解説の森山茂和プロが『麻雀を辞めた方がいいね』と言及して、アベマのコメント欄やその後のツイッターが大荒れしましたが」

 

鈴木「ま、浅井さんの形テン取りについては特に何も(笑)。それよりも中盤の選択のほうが気になりました」

 

梶本「あ、そうですか。一応、編集部が浅井・森山対談を企画し、その模様はキンマwebで公開しておりますの

でよかったらぜひ。じゃ、この局の序盤から振り返りましょう」

 

鈴木「まず近藤さんの5巡目の形が難しかった」

 

決勝南2局 東家・近藤誠一 22700点

梶本「ピンフイーシャンテンで2-5萬か6-9萬か6-9索のどの受けを嫌うか」

 

鈴木「これ全部の選択肢が『あり』なんで難しい。ちなみに私がこういう形で困ったときは受けを色で固めますね。7,8索を捨てて、あとはひたすらマンズ引け! ってツモりにいきます(笑)」

 

梶本「なるほど。その決め方も面白いですね。近藤は3,4萬と払ったのち6巡目でリーチ。これに対し、浅井も役なしで追いつきます」

 

決勝南2局 西家・浅井裕介 11700点

梶本「親リーチの現物に1索があるので、とりあえず役なしの2-5索待ちのシャンポンテンパイは取れるとして、リーチはかけにくいか」

 

鈴木「さすがにこれを追っかけはしないですね。ドラ4索引きでピンフの変化もあるし、4-7萬ツモなら、リーチの現物の1萬と入れ替えてタンヤオになるし」

 

梶本「ということは、このヤミテンは鈴木さんも当然ということですね。直後に近藤から2索が切られて、『あー、リーチなら一発で討ち取れてた』とは考えない」

 

鈴木「そうです。むしろ現物が2枚増えてラッキーと思うでしょうね。ただ、この後の浅井さんの2萬ツモのところ(全体図参照)。私がこの局で一番気になったのはこの時の浅井さんの選択でした」

2索を捨てて勝負になるの?

鈴木「ここ、自分の第一勘としては打5索しかないです」

 

梶本「浅井は現物の2索を1枚外しましたね」

 

鈴木「でも、これ2索を打った後、どこでメンツを作るんですか? 仮に2索を2枚外してアガる形があるんでしょうか? というところが物凄く気になってしまいました」

 

梶本「すでに3萬が3枚見えてて、ラス3萬ツモの1-4-7萬待ちの復活も厳しそうですね。ワンチャンスの2萬切りはどうでしょう?」

 

鈴木「それはありです。私は5索を切りますが、2萬も全然あり。ただ2,5萬が場にさほど出ていない状況で3,4萬を嫌ったのは」

鈴木「からの切り出しもあって、一応2-5萬のスジは気持ち悪いところではあります。でも次にツモ7萬で一通も出てくるので、こうなれば確実に5索勝負で567の三色との両天秤に構えるでしょう」

 

[想定図]

鈴木「ここで安全に2索のトイツを外す人もいるでしょうが、それは点棒を持っている人の打ち方でしょうね」

 

梶本「ここは5索か2萬の2択から選ぶべきだ、と」

 

鈴木「そもそも5索捨てて放銃になる可能性が何%あるかってことで。ピンズが全然通ってなく、ソーズの上で通ってないのが3スジ、マンズの上で3スジ、2-5萬のスジも通ってない。かつ3,4萬の切りでチートイツを警戒すれば字牌もありうる。となると5索で当たる確率は10%を切ると思うんですよ」

 

梶本「なるほど」

 

鈴木「そこまで読んで、私は一番5索切り、二番2萬切りヤミ、三番1萬切りかなと思います。残念ですが打2索だけは0点の選択なんですよ」

 

梶本「2索が通ってしまったことで、逆にどこか甘えのようなものが出てしまったという感じかもしれませんね」

 

鈴木「そもそも浅井さんの立場は逆境じゃないですか。5万点持ってるなら、2索打って凌いでいるうちに前が開くことある。それでも私はこの手なら1萬を切りたい。打1萬の後に誰かがオリて捨てた2索をポンして打3萬」

 

[想定図]

親を楽にさせない1牌押し

梶本「その後、3萬が4枚見えた浅井は2萬を処理して2筒,5索のシャンポンに復活。が、再度無スジの8筒を引いて打1萬でテンパイを崩します」

 

南2局11巡目 西家・浅井

鈴木「これでも5索切りかなぁ。それか5-8筒が切りづらいからと考えて2筒トイツ落としか。ただ、ソーズの上の3スジが全部危ないから止める、というのは逆に親に有利になりますよ。誰の反撃もなくひたすらツモれるわけだから。だからここは自分が先陣切って5索を切る。その情報を見て他家もソーズを切りやすい状況を作って徐々に親リーチの包囲網を固めたいですね」

 

梶本「5索のスジを追って8索を捨てて、8索が見えることで壁やワンチャンスで9索が出る、みたいな状況ですね」

 

鈴木「そうしないと親の思うつぼです。とにかくこの浅井さんの手は形的にも5索が要らんですよ。たしかに1萬も要らないけど…。5索も2筒でも放銃率はまだ10%程度でしょうし。だったらどっちかの10%に賭けていいんじゃないでしょうか」

 

梶本「つまり大介さんとしては、この後浅井が形式テンパイを取って近藤に親っパネをツモられたことより、7~11巡目までの打牌選択の方が敗因に繋がったんじゃないか、ということでしょうか」

 

鈴木「そう思いました。もし浅井さんが11巡目の形から5索を捨てて、真っ直ぐ押し切れたら」

 

[想定図]

鈴木「というテンパイになっていたので、近藤さんのアガリもなかったかもしれない」

 

梶本「なるほど。話題になったこともあってこの1局だけで十分興味深いお話が聞けました。最後に、近藤の勝因について一言だけ触れてもらえますか」

 

鈴木「近藤さんは決勝も序盤がとにかく厳しかったですよね。なので勝つのは鈴木たろうさんかなと思ってました。たろうさんも近藤さんも場慣れしていて普通に打っていて、どこからでもトップに立てるなと思いました。この6000オールが直接の勝因なのでしょうが、逆境でも焦らず普段通りの打ち方ができたからこそだと思います」

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鈴木大介現最強位
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梶本琢程オフィシャルレポーター
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